笹田 友恵
看護師 認定看護管理者
大阪国際がんセンター元看護部長
がんライフアドバイザー協会理事

NPO法人つながりひろばは、2020年11月に設立4年目を迎えました。
この間、多くのがんと向き合う患者さんやご家族と出会いました。
今やがんは2人に1人がかかる時代と言われています。私たちにとって身近な病気になりました。そして、がん患者さんを取り巻く環境も大きく変化してきました。
がん治療の進歩、サポート環境の変化、医療制度の変遷など目をみはるばかりです。
しかし、がん患者さんにとって病気と向き合っていくうえでの不安や悩み、困りごとなどは決して変わることはありません。
 
 私がはじめてがん患者さんと向き合ったのは、看護実習の時でした。子宮がん末期の患者さんで「痛い、痛い」と激しい痛みと闘っておられました。学生の私は、この痛みを何とか軽減する方法はないかと考え、温罨法や気分転換、話し相手をするなど考え得る限りの方法で接しました。未熟でしたが患者さんに寄り添い、最後の時間を過ごしていただけたと思っています。
 それから38年、看護師として多くの患者さんに接してきました。一人暮らしで寂しく旅立たれた人、いつか良くなることを信じて旅立たれた人、色んな患者さんやそのご家族などとのたくさんの出会いと思い出が貴重な経験となり、私を看護師として、また、一人の人間として成長させてくれました。
 
 「いつでも」「だれでも」「自由に」訪れることができる。
がんと向き合う人たちが気兼ねなく話ができる、そんなつながりができる「場」を作りたいと思い、名称を「つながりひろば」にしました。
「こんなこと誰に話せば良いの」「家族には話せない」「私はこれからどうして生きて行けば良いの」今でもたくさん耳にします。
つながりひろばは、そんな人たちに寄り添っていきたいと思います。そして、がんと共に生きる人たちが、病気とどのように向き合うのか、何を選択していくのか、自分はどうありたいか・・・意思決定、自己決定を支援をしていきたいと考えています。